かつては私もそうでした・1
国家資格の期待と現実
私は鍼灸マッサージ師になるべく、専門学校に3年間通いました。
学生当時、腰痛や首の不調がありましたので、母が勧めてくれた治療院に何回か通った覚えがありました。その時は鍼を打っていただいた様に記憶しています。
とっても特別な事をしていただいたという感じを受けましたので、自分も「特別な能力」を身につけカリスマ鍼灸マッサージ師になれるものと思っていました。
実際、実技授業の時には、担当講師の先生から、「上手いね」などと言われてもいましたので、期待に胸ふくらませていた事を思い出します。
しかし、鍼灸マッサージの学校は「肩こり」「ギックリ腰」などの症例・症状などを治す技術を勉強する学校ではなく、「国家資格試験に合格するノウハウ」の勉強をする場所でした。ですから、学校の資料請求の時の内容は「国家試験合格率○○%」というキャッチコピーが載っていましたし、結局それが一番大事な事でした。
卒業時、当然、様々な症例に対応するすべはなく、私は勉強のつもりで整形外科の病院に就職しました。そこでは医学的な知識や考え方が身につき、とても良い経験をさせていただきましたが、所謂「電気治療」「牽引治療」「温浴治療」などの医療点数の稼げるものであって、「治す」ものではなかったのです。
それから老人病院を経て開業し、自営業者となりました。
当時は、上記の疑問を抱えながらも、健康保険を取り扱っていました。当初は健康保険の状態もまだ現在ほど環境が悪くなかったため良い収入を得ていましたが、「来月からこの料金でお願いします」と改定に次ぐ改定。行っている施術の内容は全く変わらず、むしろ人数は多くなっているのに単価を下げられ、収入が激減していきました。
その時、健康保険取扱の怖さをまざまざと見せつけられました。
そこから、保険に頼ることなく、自分の腕一本で稼いでいこうと思い始めたのです。
納得のいく技術を求めて
それには、技術的に納得のいくものがほしかったので鍼の施術技術を学んだりしましたが、なかなか有効なものがありませんでした。
そこで、以前から気にはなっていましたが、正直ちょっとだけ見下していた整体(※整体の数多くが実態が明確ではなく、有効的な治療手技では無かったと思います) に興味を持ちました。
そこにはこれまでの鍼灸マッサージには無い「理論」があり、非常に納得できました。実際に施術成果も上がりました。
しかし、患者さんには喜んでいただいているのに経営はどんどん切迫し、みるみる蓄えが底をついていきました。
そんな時、地方新聞の書籍紹介欄で小森学院代表の『整体学校で年収2000万の成功法則』の本を知りました。すぐに書店に行きましたが見当たらず、出版社に直接依頼して取り寄せました。
中味は、私自身、そして業界の実態そのものでした。
こんな事を書かれて、正直にいって怖かったです。そして、もしここに書かれている施術方法が本当で、こんな施術所が近くに出来たら、うちは本当に終わりだ!!と思いました。
しかし、はじめは全てを疑っていました。
ですから本を読んでからも家内とずいぶんと悩みましたが、当時、基礎的なコースが「この値段なら騙されて捨てても良いかな」という値段だったので(それでも借り入れをしましたが)静岡県焼津にスクーリングを受講しに行きました。
「焼津」と申しますと、私の住んでいるところから見たら田舎です。実は、そこも信用できなかった理由の一つでした。(笑)
2日連続のスクーリングの初日、まず一通り施術をしていただきました。
その時、私は本当は膝に痛みがあったのですが、それを隠して、適当に身体の具合を言って施術を受けました。
ところが、終わった時にはその痛みが全く無くなっていました。しかも施術者は華奢な女性の先生。驚きと落胆は、それは大きなものでした。
そこから私は今までの自分の経歴は忘れ、素になり、この技術を覚えてみようと思って達人コースを経て、現在に至っています。
プライドを捨てて得たもの
私に足りなかったものは技術ではなかった事はすぐにわかりました。
療術の世界は基本、孤独な世界です。ノウハウの共有などありませんし、自身に経済力がないから助けることもできません。
しかし、日本回復整体総合学院で学んでいる最中、一緒に学んだ先輩の先生方や仲間達が私の支えでした。日本回復整体総合学院には、技術・経営・伝達と整体院を経営していくのに必要な技が全てありますが、もしかしたら究極の技は仲間の存在なのかもしれません。
私には国家資格を持っているというプライドもありましたし、経営が上がらない事は「しょうがない」ことで、自分のせいではないと思っていました。
しかし、治せない事も、経営が上がらない事も、全て理由があり、全て自分の問題なのです。
実は、以前の手技では家族の不調を改善させてあげることができませんでした。いちばん身近な人間を幸せにできない者は、痛みを抱えて苦しむ他人を治すことなど到底できません。
それを認めた時、回復整体の理念が自然にスッと理解できました。
「不調者に健康を、施術者に社会的・人間的成功を」
経営が安定し、家庭に不安が無く家族が健康、そして施術所を訪れる体の不調を抱える方々の健康を取り戻せる。こんな素晴らしい仕事はありません。
この回復整体に巡り合えたことに、私は感謝しています。
からだ回復センター さくら堂 院長 氷見康